最近の一戸建ての価値

『利回り10%、10年間で資金回収、その後は土地と賃料収入で丸儲け』
これは、一定条件のレベルに達している一戸建てであることが条件になりますが、最近はある程度の年数が経過しても、建物もそれなりに評価されるケースが増えています。
高度成長時代に大量生産された建売住宅については、やはり構造や設備・仕様などさまざまな面で、最近の一戸建てに比べて格段に劣っているのが事実で、さほど評価されませんが、それでも、シッカリと維持管理され、1981年に改正された耐震基準に合致している物件であれば、一定の評価を得ているのです。

たとえば、同じ分譲地であっても、中小工務店が建てたもので、その後の管理も十分になされていない物件だと、30年後の建物の価値はゼロと評価され、土地込みで3000万円と鑑定されるのに対して、同じ分譲地にあっても、大手住宅メーカーの注文住宅で、その後耐震補強も行い、新耐震基準をクリアしている物件は建物だけで500万円と評価され、土地込みで3500万円と鑑定されるなどの差がつくことが珍しくありません。特に、ここ10年ほどは一戸建ての構造・仕様・設備などは格段に向上しています。
注文住宅ではなく、ごく一般的な建売住宅であったとしても、土地値での評価だけではなく、建物の価値も評価されて、資産価値を維持しやすくなっているということができます。ただ、賃貸住宅用として一戸建てを建設するケースでは、建物の価値については過剰な期待はできないでしょう。
利回りを確保するためには、建築費を極力を抑えなければなりません。といって、耐震基準など法令を遵守しないとたいへんなことになります。構造そのもののレベルを落とすわけにはいかないので、仕上げ部分の材料や設備などのグレードを落とさざるを得ない面があります。
これは、賃貸住宅として運用する以上、仕方のないことです。居住用に注文住宅を建てる人たちの平均価格は、リクルートの『注文住宅と住宅設備に関する調査』では、平均2862・5万円となっています。一般の土地付きの一戸建て、いわゆる建売住宅の場合には、「首都圏一戸建て契約者動向調査」では、平均3984万円という結果でした。注文住宅では建物だけで3000万円近いお金をかけているわけですし、建売住宅でも土地の値段が半分とすれば、建物は2000万円近いものになります。それに対して、賃貸住宅用の一戸建ては1000万円前後が主流です。
もちろん、賃貸用住宅の場合には床面積が70㎡、80㎡程度のものが多いことを考慮するとしても、やはりある程度グレードが低いものになっているといわざるを得ません。

ですから、賃貸用の一戸建てを建てたり、買ったりする場合には建物については過度な期待を抱かず、10年で投下資本を回収し、その後を一定の賃料を確保できればOKといった考え方をとる必要があるでしょう。
それでも、現実には10年で使えなくなるということはあり得ませんから、まだまだ10年、20年は使えるはずです。2000年に制定された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」では、引渡しから10年は、販売会社などが責任を持たなければならないのですから、その点は心配ありません。
利回り10%で、10年間で資金を回収して、その後の賃料収入は丸儲け、しかも、土地は自分のものになるのですから、十分にメリットのある投資であるのは間違いのないところです。